火点は前方の標的
水利はポンプ右側後方防火水槽、
手広めによる2重巻ホース、
一線延長〜、
定位に〜、
付け!
消防団員ならこのフレーズ、聞いたことあるよね。
指揮者が、大きな声で最初に言う言葉。
定位に付け!
で1、2、3番員がそれぞれ定位に着く。
操作始め!
の掛け声で一斉に動き出す。
それが操法技術訓練会だ。
仕事が終わってからの練習
消防団員は、みんな本業がある。
だから操法の練習は夜と週末。
大会が回ってきた分団はもう大変。
大会終了までは、選手に選ばれた団員はもちろん、分団全員が、操法、操法、操法って感じだった。
当時25歳、最年少の私は一番体力のいる一番員をやることになった。
毎週2回(水曜日の夜と土曜日一日)、約半年に渡って練習した。
最初は、みんな全然出来やしない。
ようやく1ヶ月くらいで様になってきたが、日中仕事で夜も練習って、本当疲れた。
あまりのハードな練習に、吐きながらホース巻いたり、ホースを担いで走っていた。
今やれって言われたら、1番員は無理。
それくらいハードだったし、地元の期待を背負っているってことも、ヒシヒシと伝わって来るから正直しんどかった。
中々タイム切れないしね・・・。
ようやくタイムがまとまってきたのは、大会直前だった。
分団長、男泣き。
一発勝負の大会だ。
どんだけ頑張ってきても、ポンプのエンジンが掛からなきゃ、そこでお終い。
コケたり、持っているホースが振られただけでも減点だ。
半年間、頑張った成果を発揮するんだ。
選手、サポートしてくれたみんなで、円陣を組み、
頑張るぞー!
の掛け声て気合いを入れた。
さぁ、いよいよ出番だ!
操作〜始め!
あっと言う間の、放水。
あっと言う間の、撤収。
選手全員、全力を出し切った。
やるだけやった安堵感に、みんな涙目だった。
結果発表。
準優勝!
優勝チームに2秒足りなかった。
後悔はない。
やるだけやった。
前年度、優勝候補筆頭だったうちの区のチームは、なんと本番で、ポンプが動かず、記録なしに終わった。
だからなのか表彰式のあと、分団長の挨拶は、ずーっと泣きっぱなし。
「何言ってるのか聞こえねーよー」ってヤジを飛ばす班長も泣いていた。
まさに、男泣き。
これを書いている私も、思い出しちゃって今涙目。
私が所属していた○区の消防団として、10年ぶりの表彰台の快挙に、そして所属の分団っは初めての準優勝。
消防署も急遽横断幕を作ってくれ、私達を迎えてくれた。
ご褒美
大会終了後、熱海温泉で大祝賀会が開催された。
選手一人ひとりにコンパニオンの綺麗なお姉様がきてくれて、それはもう大盛り上がり。
それ以上のことはちょっと・・・・書けない。
その後も、色んな行事に駆り出された。
あれから、20年以上経つけど、
今でも操法の動きは、身体が覚えている。