今から20年以上前の、夜のエプロン(飛行機が止まっている所)で起きてしまったある出来事のこと。
機内清掃は4勤1休のシフト勤務で、確か超早、ノーマル、遅、遅遅と4つの勤務時間があった。
通称「遅遅」って呼んでいた、13:00〜22:00(確か)勤務の夜に、それは起こってしまった。
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飛行機にお客様が全員乗ったら、大体の流れが次の感じ。(かなり省略してます。)
- ドアを締めてボーディングブリッジが離れる。
- エンジンスタート。
- トーイングカーが飛行機をプッシュバック(飛行機を押してタキシングの準備)
- 整備さん達が、並んで飛行機にバイバイと手を振る。
- 管制官からの指示で、タキシング開始、飛行機は滑走路へ向かう
ざっくり言うとこんな感じなんだけど、その日遅遅のチームだった私は、飛行機を掃除するため車で空港内を移動中、その無線が入った。
「スポット○番付近には近づくな!整備さんが轢かれたようだ。」
「えっ!」
車内にいた全員ビックリ!
と同時に、みんなそのスポットの方向を見た。
遠くに赤色灯がピカピカしているのが見えた。
後で知った顛末はこうらしい。
飛行機をプッシュバックと言って、トーイングカーで誘導路まで押したあと、そのトーイングカーは、別の飛行機をプッシュバックするために移動し始めた。
その時トーイングカーの運転手が、後方をよく確認しないままバックしちゃったらしい。
※飛行機(操縦席)の下に見える車がトーイングカー
トーイングカーの重量って、40トンから50トン位あるんです。
轢かれたら、ひとたまりもありません。
その後大変だったのは、トーイングカーの業務を請け負っていたのはA○○の下請けさんでした。つまり、1次下請けの社員が、親会社の社員をやっちゃったわけです。
そりゃ、もう大騒ぎ。
A○○の孫請けでバイトしていた我々にも、安全教育が徹底されたのは、言うまでもありません。
あれから25年以上経つけど、今でもハッキリ覚えている。
後ろに目はない。
だから、後ろに下がるときは、
しっかり目視!
指差呼称
「前方ヨシ!」
「後方ヨシ!」
今日も1日、頑張ろう!