火もし担当
ん?何それ?
今でこそ野焼き禁止だけど、禁止される前は田舎の方はフツーにどこの庭でも焚き火していました、うちの実家もしょっちゅう燃してました。
だから、週2回出す燃やすごみは、今より少なかったと思う。
20代の時、現場監督をやっていた造園会社では、現場で発生した枝や草は乾かしてから燃やしていた。
当時は、どこの造園会社もそんな感じだった。
コンマ8のユンボ
現場監督をしていた会社では、コンマ8のユンボを持っていた。コンマ8って0.8㎥のバケットがついているユンボのこと。
あっ、ユンボってショベルカーのことね。
これこれ。アームの先に付いているのがバケット。
このユンボでデッカイ穴を堀り、色んな現場で発生した枝や草を穴の横で乾燥させて置いて、天気を見て火もしする。
最年少の私は、先輩の命令でよく火もししたもんだ。
社長、ゴメンなさい。路線バスを止めちゃった!
会社の敷地(正しくは社長の土地)に、火もし専用の場所があった。
一応、天気に草や剪定枝の乾き具合を確認してから火もしする。
あの日も、行けると思って穴の中に降りて乾いた草に火を着けた。
風向きも、道路には行かない北風。
始めはよく燃え、ほとんど煙が出ない完璧な火もしだった。
最初の塊を燃やし終え、次の塊をユンボを使って穴の中に入れた。
そしたら、まだ乾きがよくない草から白い煙が大量に出始めた。
いつも白い煙は出るので、あまり気にしていなかった。
「しばらくすれば、燃えるはず。」
だけどこの時は、白い煙がモクモクとしかも、どんどん増えてきた。
でもね、伝家の宝刀「灯油攻撃!」がある。
火が弱まってきたら灯油を入れて再発火するのがいつものセオリー。
ユンボのバケットにポリタンクから灯油を注ぎ、ゆっくりモクモクの煙にふりかけた。
サァーッと、一瞬にして煙が消え、炎が復活した。
しかし、あっという間にまた白い煙に変わってしまった。
「あれっ、今回はやべえぞ。」
だんだん心配になってきた。
横浜とは言え、田舎の方だから大丈夫。
そう思っていた。
でも、一向に煙は消えない。
それどころか、白い煙が一段と増してきた。
確か、二番目に入れたあの草の塊は、あの先輩がやってる現場のじゃん。
クッソー、○○先輩のゴミなんかほっとけば良かった💢
あたり一面が真っ白で、これはヤバイと思っていたら、遠くからサイレンが聞こえてきた。
「あらら〜、ひょっとして俺?」
俺だった。
道路も真っ白で、警察官も来ていた。
会社の前社長が、この辺りの大地主で市会議員じゃなかったら、大変な事になっていたが、前社長のお陰で、何とか収まった。
ごめんなさい。社長。
私は、平謝りだったけど社長は、
「平気平気。今度は気を付けてね!」
懐の広い、今は亡き社長に感謝。
先週、実家に行く途中、当時勤めていた会社の横を通った時に、あの時のやっちまった事を思い出した。
ま、いっか。
じゃないな。