30年経った今もハッキリと覚えている。
ランナーの皆さんのブログでヨガを取り入れている方たちが沢山いる。
ヨガは心と身体に、とても良いと思う。
出来ればやってみたい。
でも私は、出来ない。
五十肩だから痛くて出来ないのではない。
ある事がトラウマとなって、
ヨガと聞くだけで、
ヨガを見るだけで、
冷や汗が出るし、走ってもいないのに胸に手を当てると、明らかに心拍数が上がる。
だから出来ないのだ。
最近はそれでも良くなった方だが。
最近ブログで見るヨガのインストラクターの方は、身体にフィットしたウェアを着て、本当にとても美しい!
しかし、私が約30年前に初めて見たヨガのインストラクターらしき人は、違った。
上下の服が白や水色などの鮮やかな色の服を着ていた。
それも一人ではなく、集団で。
きっかけは一本の電話
高校卒業後、おバカだった私は浪人生となった。Z会の通信教育メインで、たまに予備校へ行くくらい。
正直に言うと、あまり勉強していなかった。
携帯電話なんて無い時代、自宅(実家)に一本の電話があった。
当時実家は、まだ黒電話。
母が受話器を取り
「○さんから電話だよ」
と言った。
「○?」
○の名前にあまりピンと来なかった。
それほど仲良しでは無い同級生からの電話に少し変な感じがした。
電話の内容は、久しぶりに会おうと言うことだった。
ただ、あまりしゃべった事もないヤツからの電話に、初めは断った。
しかし、ヤツは賢かった。
高校時代の一番の親友の名前を出して、「○○も来るから良かったら来てよ」
ときた。
それに綺麗なお姉さんも沢山いるらしい。
○○とは卒業後しばらく会っていなかったから、「じゃ行くよ」と言うことになった。
この人達はいったい何者なんだ
待ち合わせの場所に行くと、電話をかけてきたヤツがいた。
電話の後、卒業写真を見て、
「○ってコイツかぁ」
と認識した。
認識はしたけれど、正直あまり話した事が無かった。
ヤツを仮にAとしよう。
高校時代、あまり目立たない存在だったA。
なのに、待ち合わせ場所には、まぁそれは見たこともない美人が2人いた。
Aには不釣り合いな、超がつくほどの美人(当時のウブな私にはそう見えた)だった。
車に乗せられて美人2人に挟まれて、悪い気はしなかったが、同時にメチャメチャ不安だった。
だって、ありえないでしょ。
いきなり美人に囲まれるなんて。
しばらく走った後、到着した先の建物は普通の雑居ビル。
ただ、中から変な声が聞こえてきたので、ビックリして後ずさりしたら、さっきまで横にいたはずの美人の一人が真後ろにいた。
すんごい、ゾーっとした。
今書いていても、あの美人のお姉さんの目がハッキリと浮かんでくる。
そのまま部屋に入り(と言うか入らされ)、ヨガの説明を受けた。次第にヨガの説明だけでなく、信者と言う言葉が出てきた。
そう言えば、親友がいない。
車の中では「先に着いてる」って言ってたのに。
しかも、Aは建物に入ってからは姿が見えない。
メチャメチャ不安。
しかも、ここがどこかもよく分からない。
美人の2人は白い服に着替え、その他大勢の人達と、一心不乱にヨガをやり始めた。
あれがヨガって言うのかは分からないが。
話す人が変わって、まだ何らや話してきたけど、不安と恐怖で一刻も早くその場から逃げ出したかった。
出された飲み物も気味悪くて触らなかった。
さっきの美人の一人がきて、「一緒にヨガをやりましょう」と誘いに来たけど、もう気持ち悪くて、「帰ります」って連呼していたら、だんだんと表情が変わって来た。
部屋に入ってから何時間経ったかは分からない。
かなりの時間拘束された。
今思えばあれが「マインドコントロール」ってやつだったのかな。
でも、私には効かなかった。
なぜかは分からない。
ただただ、当時若かった事もあって、
「テメーら、さっさと帰らせろ!」
オーラが出まくっていたのか、
「何かが守ってくれていた」
のかは、分からない。
ようやく諦めた連中は、Aに詰め寄っていた。
しばらくしたら、Aと一緒に外へ出て、車で朝待ち合わせした場所まで返してくれた。
その後Aとは会っていない。
数カ月後、あの集団がテレビに出始めた。
Aは、○○○の信者だったのだ。
親友にその話をしたら、やはり電話があったらしい。他の友人にも連絡したら、みんなに電話があった。
でも実際に行ったのは私だけ。
「美人が多いんだ」の言葉に、「ひょっとしたら新しい出会いがあるかも知れない!」と、下心を出してノコノコ出かけた大馬鹿野郎の私。
洗脳されなかったのは、ラッキーだっただけ。
あの部屋を出る時のみんなの目が超怖かった。
その時みんなかやっていたのがヨガ。
だからヨガが怖いんだ。
30年経った今も、あの時見た信者達の目つき、その恐怖は忘れられない。
忘れたいけど、忘れられない。
ヨガが悪いんじゃないのは、頭では分かっている。
書き終えた今も、冷や汗に拍動が速くなる。
トラウマって、そう言うものだ。