ニオイに記憶がよみがえる!
昨日朝の通勤電車、反対側ドアまで押された時のこと。
ドアのガラスに誰かの汗が付き、時間が経ったのか、「ツーン」と汗の臭いがした。
「うわっ、クセえー!」と思った瞬間、あの人のことを思い出した。
小学校の6年間、剣道をやっていた。
初めた理由は単純。
剣道をやっている人の姿がカッコイイから。
たまたま家族で散歩していた時に、
「おォー」、
「あーーっ」
とか叫び声が聞こえてきて、吸い寄せられるように声のする方へ行った。
道場の中にいた師範らしき人に手招きされ、見学させていただいた。
正座は辛いけど、竹刀で相手を引っ叩くのが、小学校1年生には新鮮だった。
親の心配をよそに、そのままその道場に入門することになった。
防具一式を注文し、ようやく自宅に届くと、ビックリ。
小柄な私と同じくらいの大きさの袋に、面、など入れたらメッチャ重くなり、とても一人では運べなかった。
道場に行く時は、防具一式が入った袋を結んだ紐に、竹刀を引っ掛けて、担いで持っていった。
とても重かったので小さい頃は、母親に後ろを持ってもらって通った。
着替えて、胴・面を着けたら、もう別の自分って感じ。
戦うちびっ子剣士の誕生だ!
道場に行って練習するのが楽しくて楽しくて仕方がなかった。
あの時までは・・・。
昇級試験
剣道も昇級試験がある。
小学校5年生の時は、2級だった。
だから次の6年生で当然1級を受けるつもりだった。
しかし、早生まれの自分は昇級試験の実施日の関係で、「次の年じゃないと1級の昇級試験を受けられない」と、師範から言われた。
ガーーーン!
ここまでだったらまだ仕方ない。来年受けれはいいんだから。
けどね、後から入ってきて、自分よりも弱いのに誕生日の関係で1級の昇級試験を受けたヤツが居るんだ。
そしてそいつは、合格した。
自分よりも先に1級になった。
ムカーーー!
しかも、そいつは有頂天になって、1級である事を自慢しまくるだけでなく、2級の私をバカにし始めた。
あまりに頭にきたので、その後、道場での試合でボコボコにしてやった。
もちろん試合でだよ。
俺のほうが強いんだ!
って言ってやりたかった。
けれど、自分の力ではどうにもできない昇級試験制度をまのあたりにし、剣道熱が冷めていった。
やっぱ男は、サッカーか野球だよな。
言い訳しながら、急速に剣道熱が冷めていった。
そして小学校卒業と同時に、剣道も卒業した。
2級のまま卒業した。
部活どうする?
中学に入学して、部活どうする?って時、
もちろんサッカー部入るつもりだった。
だけど頭剃れって言うからイヤになって、その時ふと頭によぎった剣道。
体育館に行ってみると、懐かしい響きが聞こえてきた。
女子も男子と一緒に練習していて、多感な時期に突入していたこともあり、「剣道も悪くないなぁ」と思った。
しかも、
メッチャ綺麗な人がいた。
その先輩は2年生、誰が見てもあの中で一番のべっぴんさんだった。
何と、そのべっぴん先輩に話しかけられ、強く入部を勧められた。
綺麗だぁ〜〜。
一瞬にして、淡い恋心をいだき入部へ向かって、針が振れようとしていた。
でもね、臭ってきたんだ、あのツーンとくる汗のニオイが・・・。
汗臭いニオイが、そのべっぴん先輩から、漂ってきた(・・;)
えェーー。
臭いで一気に冷めた。
あの頃は、出来ることと言えば、面など防具を天日干しすることくらいが精一杯。
今は、ファブリーズやリセッシュとか素敵な商品がある。
あの時、ファブリーズやリセッシュがあったら、また違った人生があったかも知れない。
青春の一コマ。
でも、ま、いっか。