なんで大人はこんな苦いものを飲むんだろう。
盆暮れ正月。
私が小学校の頃は、親戚が本家に集まって宴会をしていた。
親戚のおじさん達は、酔うと決まってビールを飲めと言う。
まだ小学生なのに、そんなことお構い無しだ。当時ビールは、キリンビールのラガーしか見たことがなかった。
おじさん達は、楽しそうにコップにビールを入れ、飲め飲め勧める。
試しに一口、飲んでみた。
「うわっ、苦がっ!」
それがビールの第一印象だ。
人生初のビールは、メチャクチャ苦かった。
おじさん達は、その「苦い!」って反応が見たいのだ。
次に言う言葉は、
「こんなに苦いものは、子供は飲んじゃ行けないんだよ。」
「じゃ、飲め飲め言うなよ!」
本家に行くと、おじさん達はいつも飲んだくれているので、「酒飲みは、嫌だなぁ」って思っていた。でも酒を飲んで楽しそうなおじさん達を見て、酒を飲むと楽しい気持ちになるんだ
だるまを飲んで爆睡した仲良し3人組
忘れもしないサントリーオールド、通称「だるま」
実家には、親父自慢のサイドボードがあった。中には当時は高かった通称ジョニクロやサントリーロイヤルなど親父は、黄桜二級(日本酒)ばかり飲んでいるのに、なぜかサイドボードの中はウイスキーばかり、綺麗に並んでいた。
その中に、1つだけキャップが開いているウイスキーがあった。
それが、サントリーオールド、通称だるまと呼ばれていたウイスキーだ。
小学校6年生の時、仲良しの友達が来てイタズラでキャップが開いていただるまをちびりと一口なめた。
「痛っ!」。
初めてのウイスキーは、舌先が痛く感じた。
ウイスキーをキャップにそ~っと入れて、ちびちび回し飲みしていた。
そのうちぼーっとしてきて、寝てしまった。
いつからビールが「旨い」と思ったのか
次に気がついたのは、帰ってきた母親に叩き起こされた時。
まぁ、怒られた怒られた!
なにせ、3人の小学6年生が真っ赤な顔で、大の字になって爆睡してたんだから、そりゃ怒るよな。
でも、母親と違って親父は、ニヤニヤしながら、「もう飲むなよ。」と一言だけ。鉄拳制裁も覚悟していたのに、なんとも拍子抜けした感じだった。
自慢のウイスキーを飲まれたのにね。
時は流れて、20歳。
堂々と飲める歳になったけど、イマイチビールだけは苦くてあまり好きになれなかった。
でも、キリン一番搾りが登場して、初めて飲んだとき思った。
「こりゃ旨い!」
今までのニガニガビールが、なんとも美味しいニガさに思えた。
アサヒスーパードライも初めの頃はよく飲んだけど、私はやっぱり
一番搾りが、大好きだ!
そんな酒好きが、45歳で酒をキッパリやめた。
人生色々あるよねぇ〜(^^)