若いんだからぎっくり腰なんてなるはずがない!
実家で生活していた頃、母親が年末にぎっくり腰になったことがあった。
確か台所で、グキッときて、うずくまったまま動かない母親に私は、「大袈裟だなぁ〜」ぐらいにしか当時思わなかった。
ぎっくり腰が、そんなに大変なんだとは思ってなかった。
症状は結構ひどくて、その年の年末年始は、親父と弟とできる範囲で料理を作った思い出がある。
「ああ〜お母さんがぎっくり腰になると、大変だ!」
10代の頃は、そんなふうに思っていた。
そして、「俺はぎっくり腰なんか平気!平気!なるわけない!」
って思っていた。あの日までは。
1ミリでも動くと腰に激痛が走る!
でも、なっちゃったんだな。
あの現場で。
公園の崖が崩れないように、擁壁を設置する工事のサブ監督として、その現場に入った。
職人さんが間知石(けんちいし)を積んでいるのを見ていると、実に手際が良く、あまりにスムーズなんで、簡単に積んでいるように見えた。
「石の積み方、教えてもらえませんか?」
思い切って言ってみた。
そしたら親方、ビックリするくらい丁寧に、そして優しく教えてくれた。
それを見ていた周りの職人や先輩現場監督は、メチャクチャビックリしていた。
「あのおっかない親方が教えてる!」
私は、おじいちゃんおばあちゃんこだったからか、その世代の方には好かれていた。
ただね、重いんだ、あの間知石って。
何キロあるか分かる?
間知石は、1個43キロ。
※四角いブロック1個が43kg。
私は油断していた。
親方に一通りの石積みの方法を教えていただき、さあ、やるぞと言う時、親方に言われた。
「重いから気をつけろよ!」
「はい」とは答えたけど、サクッとこなして、「お前、上手いじゃないか」って褒められる予定だった。
間知石を持ち上げる時、親方をまねして同じ場所を持って、「オリャ」っと持ち上げた。
その瞬間、腰をデッカイハンマーで叩かれ、その衝撃が、頭のてっぺんを抜けていく感じがした。
「バキーーーン!」
なんかそんな感じ。
その姿勢のまま、全く動けなくなった。
大袈裟に言うと、1ミリでも動かすともう激痛で、息も出来ないくらい痛かった。
トラックの荷台で運ばれた⁉
全く動けなくなった私を、下請けさん達が担いで下ろしてくれた。
担いでくれるのは有り難いけど、もうメチャクチャ痛くて痛くてどうすることもできなかった。
車に乗るのもままならない状態だったので、2トントラックの荷台に毛布をひいて、その上に横たわって整形外科まで運ばれた。
病院に到着すると、看護師さん達は大爆笑。
こっちはスッゲー痛いのに失礼な!
と思ったけど、冷静に考えたらトラックの荷台で乗せられて運ばれてくるなんて、笑っちゃうよね。
実家の母親がぎっくり腰をやった時、こんなに痛かったのかと、その時、身を持って実感した。
あれから、クセになっちゃったのかな。
寒くなると、年に一回位あの痛みが襲って来る。腰ばかりか、背中が痛むことも多い。
これから、本当気をつけないとね。
なんてったって、歳だから!
読んでくださっている皆さま、お風呂出たあとのストレッチ、本当良いらしいです。
腰とおしりの筋肉をほぐして下さい。
明日は我が身。
お気を付けあれ。