いつも行く大型スーパーの一角にある書店。
普段は行かないコーナーに、すーっと引き寄せらるように行ったらこの本があった。
手にとって店内をウロウロはした。
かみさんや子どもが、「今日はいいや」と言うので、「そんなら買わなくていいかな」と、元の棚に戻した。帰宅後、棚に戻したあの本が気になって気になって仕方がなかった。
次の日、またその大型スーパーに行った。
用事を済ませた後、本屋さんに寄ったらまだあった。正直、ホッとした。
これは「読んでみて」と言うことだと勝手に解釈し、購入した。
初めに言っておく。
栗城史多さんのことは嫌いじゃない。
私は山が好きだ。
小さい頃、ボーイスカウトに入っていたから山へはよく行った。
加えて親父が山好きで、小学生の頃は丹沢山系によく登っていた。
ボーイスカウトは中学卒業まで。
高校に入った時、山岳部に入ろうと思っていた。部室に行ったら、何かね~、ちょっと違うなって。
😳
親父は山岳部に入るのは大反対。
「遭難したら、捜索のヘリコプター代で土地売らなきゃいけないだろ‼️」
山をよく知る親父だけに、当時そんなことで夕飯の時によく言い合いになっていた。
でも、部室にいた先輩の何とも言えない雰囲気に「んっ、俺無理❗」と山岳部への入部は辞めた。親父もひと安心だったみたいだ。
😓
結局、高校は海が近かったので山登りではなく、サーフィンに明け暮れていた。
☀️🌊🏂
でもね、「山と海、どっちが好き?」と言われたら「山」かな。サーフィンだけでなくウインドサーフィンもやったけれど、山かな。
そう、やっぱり山が好き。⛰️
と言っても、しょっちゅう山に登っていたのは中学生まで。高校からは全く山に登らなくなった。だから、ぶっちゃけ偉そうに山を語る資格なんてない。
成人を過ぎ、しばらくしてからある時テレビで初めて見た。
栗城さんを。
正直ビックリした。
雪山で泣きながら叫んでいたから。
ただ、今まで見たことがない真っ白な高所の風景に、「凄いなぁ」と食い入るように見ていた。
彼は単独無酸素で7大陸最高峰に登ることを目指していた。残すは世界一高い山、エベレストだけになっていた。
ただ、初めて見たテレビで何となく気になったことがあった。
「単独無酸素」と言っているのに、エベレスト登山のベースキャンプには沢山のサポートスタッフがいて、素人ながら若干の違和感を感じていた。「単独って一人で登るんじゃないの?」って。
何度もエベレストに挑戦していては敗退の連続。いつしか「プロ登山家」ではなく、「プロ下山家」と揶揄されていた。
でも当時思った。
「そうは言っても、エベレストに行くだけでも沢山のお金がかかるしそれを継続出来てるって、ぶっちゃけスゴくね❗」
しかし、2018年彼はエベレストで滑落死した。
当時ニュースを見て思った。「あぁ~、やっぱり山で死んじゃったんだ」って。「単独」「無酸素」って言葉に追い詰められていた気がする。
個人的には、「単独じゃなくても」いいじゃん。「酸素吸ったって」いいじゃん!と思った。頑張る姿、弱音を吐いて、もがき苦しんで、それでも頑張る姿が良かったんだよね。
あいだみつおさんの言葉を借りるならば、
つまづいたっていいじゃないか
ノンフィクションは重たい。
リアル過ぎて重たい。
だからこれまでこのジャンルはあまり読まなかった。
でもこの本、読んで良かった。
本の後半には、「単独」「無酸素」の事実が書かれていた。
この本を読み終え、真実を知った今も、私は栗城史多さんのこと嫌いじゃない。
色々あるさ。
享年35歳。
駆け抜けたね。
合掌。